谷中霊園

上野恩賜公園を目指して気ままにウォーキングする時、谷中霊園をよく通る。僕は知識は全くないが、仏閣寺院や美術館、博物館は何時間でも見続けることができるくらい興味がある。バックパッカーでアジアを放浪した時もヒンドゥ寺院やイスラム寺院で長時間、時の流れを感じながら何を考えるでもなく眺め続けた。

谷中霊園は僕の勝手な感覚だが、平屋の間取りにゆとりのある空気感を感じる。いろんな宗教の墓石が並び、そのかたちも全く統一感がなく、なんとなく独特の居心地の良い気持ちになる。谷中霊園は僕にとってココロを無にして気持ちをリセットできる空間だ。

僕は4月で単身赴任歴15年が終わり、16年目に突入するが、実は実家は東京で学生時代は東京で過ごした。東京といっても多摩の方なので、山手線内なんて都会も都会、ビルしかないコンクリートマンションだらけと思っていた。だからなのか、山手線内で暮らしてみて、小さくても公園がたくさんあったり、谷根千のように昔ながらのたたずまいが残っている街並みや商店街が賑わっているのを見ると新鮮でワクワクするのかもしれない。

そんなお気に入りの谷中霊園は桜が満開な春からちょくちょく来るようになり、夏が過ぎ、秋になり、ステキな紅葉と銀杏のにおいに季節を感じ、冬を迎えた。今も寒桜は咲いているが、またもう少しすると桜の季節がやってくる。

コロナで止まった世界の時計、地球の時計もそろそろまた動き始めてほしいと切に願う。