自己肯定感が低い僕は人より秀でている点はないと思っている。子供の頃から続いていることもないし運動も音楽も勉強も何も身に付かなかった。すっかりおじさんになった今、テニスができたりギターやピアノが弾けたり、英語がペラペラだったらどんなに楽しかっただろう。今からでも遅くないと思う人もいるだろうし、実際はそうなんだろうが、今の現状が自己肯定感の低さにつながっているのは間違いないと思う。
長く営業職をやっていたので、コミュニケーション力は鍛えられたと思っていた。営業職は好きではなかったが向いていると思う。管理職になってからもお客様の苦情対応もそつなくこなしたし、部下とのコミュニケーションも取れていると思っていた。
ところがコロナ禍に入り、職場への出社が制限され始めた時、とはいえ仕事があるので、やむなく部下も出社してくれると思い込んでいたのだが、誰一人として出社を望まなかった。全員、在宅勤務を希望した。業務がまわるまわらないではなく、各自が家庭を優先した。今考えると当たり前なのかもしれない。ただ、僕が取れていると思っていたコミュニケーションはほんの上べだけのものだったと痛切に感じた。
あれから3年、当時の傷もだいぶ癒えたのか、最近、感じることは僕よりコミュニケーション力が高くない人はやはりたくさんいると思う。僕のやり方が正しいとは思わないが、僕のやり方を好いてくれる人もいる。人間関係なんてそんなものだろうか。
